第4回:介護施設の夜勤中に起きた虐待
今回は、
「第4回:介護施設の夜勤中に起きた虐待」
をご紹介します。
※第1回を知らない方は先にこちらからどうぞ!
それでは、どうぞご覧ください。
※個人を特定される恐れがありますので、一部改変し短いストーリーにしてご紹介します。
※気分を悪くされる場合もありますので、閲覧する自信のある方だけご覧ください。
介護施設の夜勤中に起きた虐待
僕の偏見ですが、恐怖度を★(怖くない)~★★★(怖い)の3段階で評価しましたので、怖いのは無理!見れない!という方は参考にしてください。
今回ご紹介するお話は、「徘徊対策」、「全部着替えました」の2つです。
【恐怖度:★★☆】8話 徘徊対策
認知症になると思いもよらぬ行動を引き起こします。
その一つが”徘徊行動”です。
在宅で介護をしていた親が目を離したスキに行方不明になり、車や電車に轢かれてしまった・・・というニュースを見かけることがあると思いますが、介護施設でも施設内を利用者さんが徘徊します。
これはAさんという徘徊行動を頻繁にする利用者さんの話なのですが、毎晩、他の利用者さんが寝静まった時に徘徊をしていました。
フロアを徘徊するだけなら良いのですが、異食や他の利用者さんの居室に入って起こしてしまうので職員は手を焼いていました。
(夜間は1フロアを職員1人で対応しないといけないため、Aさんが徘徊するとナースコールが鳴ってもすぐに対応できません)
Aさんの対応を考えようと職員同士で話していた時に、介護士のBさんだけは”特に気にならない”と言っていたので、どのように対応しているのか聞きましたが教えてくれませんでした。
ある日のお昼、施設へいきなり警察がやってきて、職員一人一人に事情聴取を始めました。
「あなたは虐待について何か知りませんか?」と。
私たち職員は訳が分かりませんでしたが、何も身に覚えがなかったので”知りません”とだけお話ししました。
この日は特に何も起きなかったのですが、次の日から介護士のBさんの姿はありませんでした。
Bさんについて周りの職員に聞くと、Bさんは夜勤になると常習的に居室に鍵を掛けてAさんを閉じ込めていたそうです。
そのことがたまたま夜間に忘れ物を取りに戻ったAさんのご家族に見つかったことで発覚し、警察に通報されたようでした。
確かに、徘徊行動は異食や転倒等の危険があるので職員からすると大変です。
しかし、徘徊を防ぐためにご自身で鍵の開閉が出来ない方を閉じ込めるのは監禁と一緒です。
施設全体で話し合い、利用者さんに合った対策を考えましょう。
(ちなみに私の施設では、徘徊される利用者さんにテレビを見て頂いていました)
【恐怖度:★★☆】9話 全部着替えました
はあ、今日は朝からゆううつです。
昨日の夜勤が仕事をしない看護士のAさん・・・。
今から早番の私は、看護士のAさんから引き継ぎを受けるのですが、いつも誰一人利用者さんの起床介助を行わないので朝食までがかなりバタバタになるので嫌なんですよね。
「今日もどうせ私が全員着替えさせなきゃいけないんでしょう」
と思っていたのですが、リビングに行くと全員起床しているじゃないですか!
Aさんから申し送りがあり、「全部着替えました」の一言だけでしたが、私はAさんが心を入れ替えたと思い、最高に幸せな気分で持ち場につきました。
・・・しかし、それは大きな間違いだったのです。
テレビを見ている利用者さんに朝食が来ることを伝えに行くと、かなり尿臭がしました。
しかも、いつもよりきつい。
丁度トイレに行きたいと訴えがあった利用者さんの排泄介助を行ったのですが、私は目を疑いました。
普通は小さいパットを当てている利用者さんだったのですが、一番大きなパットであるナイトロングをつけていて、尚且つそのパットがパンパンになり、更には尿が漏れてズボンや車いすのクッションまでべたべたになっていました。
その時私は悟りました。
先ほどの異様な尿臭、誰一人パットを交換していないのだと。
急いで利用者さん全員の排泄交換と服の更衣を行い、Aさんのことを上司に報告しました。
それ以降、Aさんは二度と夜勤をすることはなくなり、3か月後には施設をさっていきました。
夜勤をすると、やる気が出なかったり眠くて集中が切れる気持ちはよく分かります。
だからといって、何の罪もない利用者さんに危害を加えるのはおかしい話ですので、夜勤が難しいのであればデイサービスも検討しましょう。
まとめ
「第4回:介護施設の夜勤中に起きた虐待」はこれで終わります。
夜勤中は一番人目が少ない時間で職員が一人の施設もあります。
寝不足やストレス、疲れで質の悪いケアになりやすいので栄養剤やリラックスできるグッズを持って夜勤に臨みましょう。
それでは以上で終わります。
本日も長々と読んでいただきありがとうございました!
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