いつ何があるかわからない!高齢者への救命処置【介護施設】

救命処置

今回は「高齢者への救命処置」です。

 

僕は介護士をしていた3年間で数名の利用者さんが目の前で倒れたり、反応がない状態になっているのを見ました。

こんな時にただ驚くばかりで何もできない、なんてことになったら大変です!

 

早速ですが高齢者への救命処置の方法をおさらいしておきましょう。

 

※利用者さんが倒れている場所が、浴槽内・ベッド上の場合は少し救命処置が変わるので最後にご紹介しています。そっちだけ見たいよーという方は目次から飛んでください。

 



高齢者への救命処置~介護施設の場合~

高齢者への救命処置は、若い方への救命処置と少し異なります。

また、介護施設という場所も考えながら手順をおさらいしましょう。

 

手順1 周囲を確認する

倒れている利用者さんを発見したら、必ず周りを確認しましょう。

 

反応があるか確認するのも重要ですが、介護施設では認知症や車いすの方がいらっしゃるので周りが安全かどうか確認します

倒れている利用者さんやかがんでいる職員につまづいた、となっては二次惨事が起きてしまいますからね。

 

周囲の安全が確保出来たら手順2へ進みます。

 

ポイント

①利用者さんが周りを歩かない/通らないか確認する

 

手順2 利用者さんの意識(反応)を確認する

倒れている人利用者さんの意識(反応)を確認しましょう。

 

身体をゆすりながら、

「○○さん、大丈夫ですか」

という声掛けを大声で3回繰り返します

耳が遠い利用者さんが多いので、かなり大きい声で呼びかけましょう。

 

意識がなければ手順3へ進みます。

(ここで意識があれば利用者さんの訴えを聞き、看護士を呼んで必要な処置を行います。)

 

ポイント

①大声で意識の確認をする

②身体をゆする

 

手順3 介護士、看護師の応援を呼ぶ

職員が近くにいる場合は大声で助けを呼びましょう。

近くにいない場合は電話またはナースコールを押して連絡をしましょう。

必ずAEDを持ってくるよう依頼をして下さいね。

 

基本的には看護師へ優先に連絡を取ることをお勧めします。

介護士で緊急時の処置に慣れている人がそもそも少なく、看護師であれば確実にフォローをしてもらえます。

 

ここで普段通りの呼吸があれば、気道確保を行って救急隊へ連絡し、到着を待ちます。

 

余裕があれば、倒れている利用者さんを回復の体位にしておきましょう。(下)

回復の体位

 

呼吸が無いのであれば手順4へ進みます。

 

ポイント

①優先的に看護師へ連絡する

②呼吸の確認をする

 

手順4 胸骨圧迫

呼吸がない場合は心停止と判断し、胸骨圧迫を行います。(下)

胸骨圧迫

時間との勝負なのでここで躊躇してはいけませんよ!

 

手を添える場所は乳首と乳首のちょうど中央に掌を当て、真上から押して下さい。

この時、肘が曲がっては全く意味がなくなってしまいますので肘を伸ばすことを意識して行いましょう。

 

胸骨圧迫は強く(少なくとも5cm沈む力で)速く(少なくとも100回/分以上)絶え間なく(中断を最小限にする)行います。

AEDが到着するまでの辛抱ですが、かなり疲れるので応援に来た職員と交代でやりましょう

高齢者だと骨がもろいので胸骨圧迫をすると折れる可能性があります。

しかし、心肺機能を回復させることが最優先なので胸骨圧迫を続けて下さいね^^;

 

胸骨圧迫後、人工呼吸を行った方がいいのですが、今では感染症の関係から推奨されていません。

人工呼吸ができない場合は無理に行わなくてもいいので胸骨圧迫を続けて下さい。

 

AEDが到着したら手順5へ進みます。

 

ポイント

①胸骨圧迫は数人で交代しながら行う

②骨が折れても心肺機能を回復させるのが先決

 

手順5 AED装着

AEDの電源を入れて電極パッドを装着します。

心電図の解析をし、電気ショックが必要かどうか判断します。

必要がある場合、電気ショック後に手順4→手順5を繰り返します。

必要がない場合、電気ショックは行わず手順4→手順5を繰り返します。

 

救急隊に引き継ぐまで、または倒れている利用者さんが目を開けたり普段通りの呼吸がみられるまで胸骨圧迫を行って下さい。

 

ポイント

①胸骨圧迫と電気ショックを繰り返す

②AEDが自動で電気ショックが必要か判断する

 

以上が高齢者への救命処置です。

次の番外編では、浴槽内・ベッド上で利用者さんが倒れていた場合の救命処置手順を載せています。

 

【番外編】浴槽内またはベッド上で利用者さんが倒れていた場合の救命処置

浴槽の場合

利用者さんが浴槽内で倒れていた場合は以下の手順を行います。

  1. 利用者さんの鼻と口が浴槽に浸かっていないか確認する
  2. 他の職員を呼ぶ
  3. 浴槽の水を抜く
  4. 利用者さんの脇を抱えて溺れないようにする
  5. 他の職員が来たら利用者さんを浴槽から出し、平らな場所で仰向けにする
  6. 以下は同じ手順

※服は着てない状態のままでいいですが、AEDを使用するため身体は拭きましょう

 

浴槽の水を抜く理由ですが、

①利用者さんが溺れないため

②浴槽から身体を持ち上げるため

の2つの理由があります。

浴槽にお湯が張った状態では利用者さんの身体を持ち上げることは無理です。

 

ベッド上の場合

利用者さんがベッド上で倒れていた場合は以下の手順を行います。

  1. 他の職員を呼ぶ
  2. 応援に来た職員と共にベッドのシーツ毎利用者さんを床に降ろす
  3. 以下の手順は同じ

 

ベッド上から降ろす理由は、ベッドの上だと力が分散してしまって上手く胸骨圧迫を行えないからです。

 

まとめ

以上で「高齢者への救命処置」を終わります。

施設の場合は看護士さんがほとんど指示を出してくれると思いますが、夜間等で看護士が直ぐに駆け付けられない時は救命処置を行わないといけませんからね。

かなり緊張しますが・・・^^;

 

それでは長々と読んで頂きありがとうございました!

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