【勉強会】誰でも分かる高齢者虐待と事例【介護施設でゼロ作戦】
ニュースで度々話題になっている高齢者虐待ですが具体的にどういう意味かご存知でしょうか?
僕は施設で働く前、高齢者虐待=暴力だと思っていました。
しかし、暴力は高齢者虐待の一部でしかありません。
高齢者虐待の5つのタイプを、私の施設や周りの施設で起きた事例を元にご紹介します。
それではご覧ください。
「高齢者虐待」は毎年増加している!
高齢者虐待とは、
高齢者が他者から不適切な扱いにより権利利益を侵害される状態や生命・健康・生活が損なわれるような状態に置かれること
です。
これを念頭に置いて説明していきます。
介護施設で起きた虐待の件数は平成27年度で400件を超えています。
これは毎日どこかの施設で一件の虐待が起き、残念なことに虐待の件数は毎年増加しています。
世間的に虐待が認知されるようになってきたので、職員または家族が施設を通報する件数が増えたことによるものだと考えられます。
実際に介護施設で働いていると、毎日虐待が起きているのは事実です。
しかし、どうしようもない虐待が存在していることも知って頂きたいのです!
高齢者虐待の定義と事例
高齢者虐待には先ほど挙げた暴力(身体的虐待)を合わせて5タイプが存在します。
私の働いている施設や周りの施設で起きた事例を交えて紹介していきますね!
【身体的虐待】
高齢者の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある暴行を加えること。
【事例1】
男性職員Aが男性利用者からナースコールが鳴ったので訪室した。しかし、要件が無かったので退室するも5分ごとにナースコールが鳴り、いらいらして利用者を殴った。
【事例2】
男性職員Aが女性利用者の居室を訪室した。居室には女性利用者の娘もいたが、女性利用者の背中を強く殴打していた。
【介護・世話の放棄(ネグレクト)】
高齢者を衰弱させるような著しい減食または長時間の放置その他の高齢者を擁護すべき職務上の義務を著しく怠ること。
【事例1】
女性職員Aが出勤している際、女性利用者からナースコールが鳴った。職員はその利用者が認知症の為に用もなくナースコールを鳴らすと知っていたのでナースコールを鳴らしたままにしておいた。
【事例2】
女性職員Aが夜勤の際、徘徊・異食する女性利用者が何度も施設内を徘徊する為、転倒リスクを考え居室で鍵を掛けて朝まで出られないようにした。
【心理的虐待】
高齢者に対する著しい暴言または著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える行動を行うこと。
【事例】
女性職員Aが、女性利用者がベッド上で失禁したことを何度もなじった。
【性的虐待】
高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
【事例1】
男性職員Aと男性職員Bが男性利用者の入浴の際、利用者の陰部を触り反応を見て楽しんでいた。
【事例2】
男性職員Aが男性利用者の排泄風景を携帯で撮影し、フロアの職員全員に画像を送った。男性職員Aは排泄方法をフロア職員に相談する為であった。
【経済的虐待】
高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。
【事例】
人事異動により担当者が交代し、女性利用者の小遣い口座の通帳を確認したところ、前担当者の不正支出が発覚。理事会に諮ることなく、また女性利用者の家族への説明もなく事後の処理が進められていた。
まとめ
以上で、「誰でも分かる高齢者虐待と事例」を終わります。
働いているとどうしても対応しきれないことが沢山あります。
虐待と紙一重で働いているのでいつ自分が加害者になるかひやひやしています^^;
しかし、一度虐待をしてしまった職員やご家族はダークサイドに落ちています。
虐待は最初の一回をすると、歯止めが利かなくなるんです。
薬やたばこと一緒で虐待は辞められなくなるということを知っておいてください。
それでは長々と読んで頂きありがとうございました!
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