【勉強会】身体拘束の問題と再発防止【介護施設でゼロ作戦】
前回に引き続き、身体拘束はなぜ問題なのか、どうしたら再発防止が出来るかについてご紹介します。
※前回の記事
身体拘束で生じる問題
身体拘束を行うことで様々な弊害が生じます。
身体的、精神的、社会的弊害を引き起こし、想定していない事態が起こる場合もあります。
事前に身体拘束で起きる弊害についても知っておきましょう。
身体的弊害
・関節の硬縮
・筋力の低下
・褥瘡の発生
・食欲の低下
・心肺機能や感染症への抵抗力の低下
・車いす→無理な立ち上がりや転倒事故
・ベッド柵→乗り越えによる転落事故
・つなぎ服→窒息
精神的弊害
・本人に不安、怒り、屈辱、諦め
・人間としての尊厳をも侵す
・認知症が進行する
・せん妄の頻発
・家族にも大きな精神的苦痛(後悔、罪悪感)
・職員も自ら行うケアに誇りを持てない
・職員の士気が低下する
社会的弊害
・介護保険施設等に対する社会的な不信
・施設に対する偏見
・医療的処置を生じさせる
・経済的な影響
身体的弊害は予期しやすいですが、精神的、社会的弊害は予想もしていないことがほとんどです。
認知症が著しく進行してしまうので「外傷が出来ないから大丈夫」という安易な考えでは行わないで下さい。
また、法的に訴えられるケースもよく耳にしますので明日は我が身ということを念頭に置いておきましょう。
身体拘束の再発防止策
何度もお伝えしますが身体拘束は高齢者虐待ですので行ってはいけません。
しかし、これだけ介護業界で叫ばれているのに未だに身体拘束が明るみに出て訴えられるケースが後を絶ちません。
なぜ発生してしまうのか、どうしたら虐待の予防・防止をすることが出来るのか考える必要があります。
発生原因
・組織運営は健全か?
・負担、ストレスや組織風土に問題はないか?
・チームアプローチは機能しているのか?
・倫理観を持ち、法令順守を考えているのか?
・ケアの質は保たれているのか?
再発防止対策
・背景要因を解消する
背景要因は相互に強く関連→多角的に取り組む
・不適切なケアを減らす
虐待の芽を摘む
・利用者の権利、利益を守る適切なケアを提供する
再発防止に重点を当てていかなければ介護施設の質は向上しません。
なぜ身体拘束をしてはいけないのか十分な知識を付け、利用者さんの問題に職員全員で解決していくことが重要です。
おわりに
自分や家族がされて嫌だと思うことは他人にしてはいけません。
利用者さんや職員どちらにとっても安心・安全に過ごせる施設を作っていきましょう!
以上で終わります。
長々と読んで頂きありがとうございました!!
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